公演詳細


東京公演:2016年9月29日(木)~10月10日(月・祝)
兵庫公演:2016年10月13日(木)〜14日(金)

  • 公演概要
ヘンリック・イプセン
原千代海(岩波文庫)
演出 鵜山仁
出演 朝海ひかる
安西慎太郎
吉原光夫
横田美紀
  ・
小山力也
企画・製作 シーエイティプロデュース


あらすじ

ノルウェー西部、大きなフィヨルドに臨むアルヴィング夫人の屋敷では、翌日に控える孤児院の開院式の準備のため、マンデルス牧師が立ち寄っていた。愛する一人息子のオスヴァルもパリ生活から数年振りに帰省し、夫人はたいそう上機嫌である。
しかしそんな中で、夫人がおそれていた〈幽霊〉が屋敷に再び現れる。屋敷を出入りする指物師のエングストランや、夫人の小間使いのレギーネの屋敷との関係が徐々に明るみになっていく。夫人が長年ひた隠しにしてきた因襲の幽霊とは――?

ギリシャ悲劇に比されるべきイプセンの傑作を、数々の話題作を手掛ける鵜山仁を演出に迎え、描き出す!

『幽霊』朝海ひかるインタビュー

「繰り広げられていく心理戦が面白くて、物語にグイグイと引き込まれていきました」

初夏の陽気となった5月下旬の東京、ビジュアル撮影が行われた際に、『幽霊』主演の朝海ひかるさんに作品への熱い想いを語って頂きました!

・戯曲を読んだ印象は?
重いテーマを扱った作品ではありますが、人間らしさが溢れていて、ドタバタコメディ的な部分もある面白い作品だと思いました。「よしっ!」と気合いを入れて読み始めたのですが、予想に反して楽しく読むことができました。また、イプセンの表現するきれいな言葉も魅力の一つだと思います。文章からは北欧ノルウェーのどんよりとした重い空気がイメージされます。そこで生まれ育った人物ですから、私たちより暗く陰湿な性格なのかなと思いましたが、読んでいてクスッと笑える人間臭さが感じられる部分もあります。ただ“重い”だけではないのが魅力ですね。繰り広げられていく心理戦が面白くて、物語にグイグイと引き込まれていきました。そして衝撃の最後が待っているという…。言えないのがもどかしいですが、最後は「あぁ…!」という感じですね。お客様には楽しみにして頂きたいです。

・ご自身の役について
今回、私は一人息子を持つ未亡人アルヴィング夫人を演じます。未亡人は独特の色気がありミステリアスで、様々な想像をかき立てられると思います。そんな未亡人を演じたいですね。夫の名誉を守る為に自分を偽り、体面を保つことに命をかけているのは衝撃的ですが、私にはその彼女の気持ちが分からなくもないなと感じました。表の顔と裏の顔というのは誰にでもありますし、体面を保つことは田舎の閉鎖的な空間ではなおさら必要ではないかと。そして彼女は息子を溺愛する母でもあります。息子のいる私の友達を見ていると、母と息子というのは誰も立ち入ることのできない強い絆で結ばれた独特の関係なのかなと感じます。この物語のような閉ざされた場所では、その絆はより深いものではないかと推測します。

・共演者について
皆さんとは初めての共演になります。息子役の安西慎太郎さんは、先日舞台を拝見したのですが、すごくピュアな雰囲気の魅力的な俳優さんで、共演するのが楽しみになりました。小山力也さんは声優さんでもあるので、稽古中にいろんなキャラクターの声を出して遊んでもらいたいです(笑)。皆さん大変実力のある方ばかりなので心強いですね。この5人でしかできない『幽霊』を創り上げたいと思います。練りに練って熟成させて、お客様に一番おいしいものを召し上がって頂きたいですね。

・演出の鵜山仁さんについて
鵜山さんとも今回初めてご一緒します。鵜山さんの作品はどれも骨太の素晴らしいものばかりで、始まってすぐにそのお芝居の中に観客を連れていってくれるという印象です。先輩の俳優さん達も「鵜山さんとご一緒すると本当に勉強になるよ」とおっしゃっていて、ずっと鵜山さんの作品に出演させて頂きたいと思っていました。またこの様な戯曲をやりたいと以前から思っていて、その願いがこの作品で叶うのはとても嬉しいです。本当に貴重な機会ですので、貪欲に食らいついていきたいです。吸収できることはすべて吸収したいという、“ダイソンの掃除機”みたいな気持ちでいます(笑)。

・お客様にひとこと
イプセンの傑作を演じさせて頂くということで、今、武者震いをしています。私たちのエネルギーをお客様にダイレクトに感じて頂けるよう頑張りたいです。お客様には肩に力を入れず、私たちの熱意とイプセンの世界を感じに来て頂きたいです。平日の公演ですが、皆さん今から休みを取って(笑)是非お越しください!お待ちしています!!

朝海ひかる Profile

1991年、宝塚歌劇団に入団。入団当初より透明感ある爽やかな個性とダンスの実力が注目され、02年雪組男役トップスターに就任。06年「ベルサイユのばら」主演。同年、宝塚歌劇団を退団。その後も舞台・テレビを中心に活躍。現在はミュージカル・ダンスのみならず、ストレートプレイでの幅広い演技でも注目を集め評価を得ている。

『幽霊』鵜山仁インタビュー

演出家・鵜山仁が語るイプセンの傑作「幽霊」の魅力

・今回の上演のきっかけについて教えてください。
5〜6年前から、イプセンの作品を改めて、幾分系統的に読み始めました。本格的にイプセン作品を演出するのは、今回が初めてです。今、ちょうど、稽古に向けて台本に手を加えているところ。翻訳をされた原千代海さんは僕の所属する文学座のご出身で、40年くらい前には僕も原さんの授業を受けていました。60歳を過ぎてからノルウェー語を独修して、20年がかりでイプセン全戯曲の翻訳をされた。何がそこまで原さんを引きつけたんだろうと、そういう意味でもずっと関心がありました。
『幽霊』が書かれたのは1881年、イプセンが53歳の時です。中年というか、むしろ老年の目線で書かれた劇世界には、同年代の自分としても共感できる部分が多くありました。物語はとても直線的でわかりやすく、喜劇的なものと悲劇的なものが同居しているのが魅力です。イプセンの作品は「因果は巡る」お話が多い。『幽霊』にはどのような因果応報があり、どんなラストが待っているのか、楽しみにしていただきたいです。
出演者は5人全員、ご一緒するのは初めての方ばかり。稽古が始まるのがとても楽しみです。朝海ひかるさんは『エリザベート』を拝見したことがあります。宝塚歌劇団出身の方とご一緒する機会は、実はかなり多いんですが、皆さん舞台にかける執念が半端じゃない。ライブのエネルギーの華やかな爆発を期待しています。吉原光夫さんは先日も『ミュージカル「手紙」』を拝見して、若いのに奥行きのある俳優さんだなと思いました。声優としてもキャリアの長い劇団俳優座の小山力也さん、また安西慎太郎さん、横田美紀さんの若いパワーも楽しみですね。

・イプセンの魅力について
イプセンには、問題劇、社会劇の作家、やや暗めの、理屈っぽい北欧のおじさんというイメージが付きまとっていますが、実は手練れのエンターテインメント作家で、お客様を楽しませることにかけては腕のある人です。しかも登場人物たちの喜怒哀楽が息をのむほどダイナミックに描かれている。今回の舞台も、そのあたりが見どころになると思います。
イプセンの作品は世界中で愛され、日本でもすでに100年以上前から、『人形の家』、『幽霊』を始め、たくさんの作品が繰り返し上演されてきました。文学座のアトリエでも、先日イプセンの『野鴨』を上演しましたが、文学座が昭和15年、初めて「公演」と銘打った上演作品も、同じ『野鴨』でした。一つの芝居が、こんな風にして何百年も上演され続ける。積み重なっていく地層のようですね。それがこれからも何百年、もしかして何千年と続いていく。舞台に登場する役者たちや、客席の声が重なって、遺伝子みたいなものが形成され、それが更に変容しながら、後世に受け継がれて行くんだと思います。
きっとアートにはワクチン作用があるんでしょうね。演劇というアートを通じて、人間にはこういう生き方や死に方があるんだということを知り、そのおかげで一人ひとりが、ちょっとだけ生きやすくなったり、死にやすくなったりする。ほんの少し、人生の風通しが良くなるという感じですかね。芝居の魅力というのは、小さな舞台の上に、個人の一生を越える、長いスパンの世界観、人生観が凝縮されていることだと思います。人生とこの世界の縮図を、ぜひ面白く読み取っていただきたいですね。

・物語の舞台、ノルウェーについて
ノルウェーには10年ほど前に行ったことがあります。北極圏まで入って、オーロラも鮮やかに見えました。イプセンの作品に必ずと言っていいほど出てくる“フィヨルド”は、氷河の浸食作用によって形成された入り江のことです。そんなフィヨルドのいくつかを車で通ったことがあるのですが、1つの入り江が周囲何十キロメートルもあって、1つ巡るのに1時間くらいかかったような印象があります。切り立った断崖が海に落ち込んでいて、まさに生と死の境界と言いたいような荘厳さを感じました。そんな自然を背景にしたイプセン作品には、やはり独特の世界観、死生観があるような気がします。どう演出するかはこれからの楽しみですが、フィヨルドの上で芝居をしているような大きさが出ればと思っています。

鵜山仁 Profile

1953年、奈良県生まれ。慶応義塾大学フランス文学科卒業。舞台芸術学院、劇団文学座付属演劇研究所を経て、1980年から文学座演出部に所属。ウィット溢れる演出術で俳優の意外な一面を引き出す手腕と、言葉から着想される膨大なイメージをあらゆる表現・素材を使って劇空間に現出させる力に定評がある。1983年より1年間文化庁芸術家在外研修員としてパリに滞在。2007年9月から2010年8月、新国立劇場演劇芸術監督。毎日芸術賞千田是也賞、紀伊國屋演劇賞個人賞、芸術選奨文部科学大臣賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞など受賞多数。

公演概要

東京公演

【日程】

2016年9月29日(木)~10月10日(月・祝)

9月 10月
29日 30日 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日
曜日 月・祝
13:30    

18:00                  
18:30              

※各公演とも、開場は開演の30分前

★アフタートーク開催公演(登壇者は下記の通り)
10月1日(土)18:00の回 鵜山仁 、 安西慎太郎 吉原光夫 ・ 小山力也
10月3日(月)18:30の回 鵜山仁 、 朝海ひかる 横田美紀 ・ 小山力也
10月6日(木)18:30の回 鵜山仁 、 朝海ひかる 安西慎太郎 吉原光夫
※登壇者は変更となる可能性がございます。予めご了承ください。

【会場】

紀伊國屋ホール
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/hall.html

【料金】

7,800円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可

【チケット発売日】

2016年6月18日(土)

【チケット取扱】

【チケットスペース】
TEL:03-3234-9999(オペレーター対応)
https://ticketspace.jp/
【チケットぴあ】
TEL:0570-02-9999(Pコード:452-298)
http://pia.jp/
【ローソンチケット】
TEL:0570-084-003(Lコード:33432)
TEL:0570-000-407(オペレーター対応 10:00~20:00)
http://l-tike.com/
【イープラス】
http://eplus.jp/
【キノチケットカウンター】
新宿駅東口・紀伊國屋書店 新宿本店5階(店頭販売 10:00~18:30)
【キノチケオンライン】
https://www.kinokuniya.co.jp

【主催】

シーエイティプロデュース

【お問合せ】

【チケットスペース】
 TEL:03-3234-9999(オペレーター対応)

ツアー情報

            

兵庫公演

平成28年度(第71回)文化庁芸術祭参加公演

【日程】

2016年10月13日(木)13:30 開演/18:30 開演 ★
2016年10月14日(金)13:00 開演

※各公演とも、開場は開演の30分前

★アフタートーク開催公演(登壇者は下記の通り)
10月13日(木)18:30の回 鵜山仁 、 朝海ひかる 安西慎太郎 吉原光夫 横田美紀 ・ 小山力也
※登壇者は変更となる可能性がございます。予めご了承ください。

【会場】

兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
http://www.gcenter-hyogo.jp/

【料金】

A席 6,800円 B席 4,500円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可

【チケット発売日】

2016年6月18日(土)

【チケット取扱】

【芸術文化センターチケットオフィス】
 TEL:0798-68-0255(10:00〜17:00 ※月曜休・祝日の場合翌日)
 http://www.gcenter-hyogo.jp
【チケットぴあ】
 TEL:0570-02-9999(Pコード:449-097)
 http://pia.jp/
【ローソンチケット】
 TEL:0570-084-005(Lコード:57073)
 TEL:0570-000-407(オペレーター対応)
 http://l-tike.com/(パソコン&携帯共通)
【イープラス】
 http://eplus.jp/

【主催】

兵庫県/兵庫県立芸術文化センター

            

【お問合せ】

【芸術文化センターチケットオフィス】
  TEL:0798-68-0255
  http://www.gcenter-hyogo.jp

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